とびらの頁
この図鑑の最初の頁には、
質問がひとつだけ印刷されている。
いま、お金でしか
手に入らないものは?
答えは鉛筆で書く。一年後、書き直したくなるからだ。
十二の仕事の頁
白い頁は、まだ行っていない場所。ぜんぶ埋める必要はない。気になる頁からでいい。
深さは三段 ── ふれた → ひとめぐり → てになじむ。測るのは上手さではなく、営みのどこまでに立ち会ったか。
記入の見本 ── 醸すの頁
各頁の年表は、人類がその仕事と歩んできた時間。最後の一行に、あなたの日付が入る。
スーパーの味噌売り場で、原材料の欄をはじめて読んだ。
大豆と、麹と、塩。それだけだった。
── あなたの一行。その日いちばん「見え方が変わったこと」を、一行だけ書く。上手い文章はいらない。
おもいでの頁
各頁のうしろ半分は、自由帳。案内所で借りられるインスタントカメラの一枚を貼り、その日感じたことを、好きなだけ書く。
帰りの電車で気づいたこと。
頭より先に、手が覚えている。
次は味噌。樽を置く場所を、考えておくこと。
── おもいでの頁(見本)。書き方に決まりはない。貼っても、描いても、押し花でもいい。
奥の頁
やめても、図鑑は手元に残る。ただし朱印の続きを捺せるのは、会員だけ。